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秋が深まって、霜降という季節になり、街の空気も人の気持ちも冬とまざりあっている。
玄関先の葉っぱたちの選定をして、鉢植えを並び替えてすこしだけリニューアル。
新入りのジューンベリーは、もうすっかり落葉して冬支度は万全のようだ。

近頃むかしに読んだ本や映画を見返すことが多くなって、
すっかり忘れていたはずのフレーズやきれいな文章に、なんでこんな素敵な一説を忘れていたの?というくらい心が大きく揺さぶられたりしています。

眉間にしわをよせながら玄関先でタバコをよく吸っている近所のおじいちゃん。
タバコの煙がキッチンの窓から入ってきて部屋を通過していくのがあまり好きではなくて、おじいちゃんのことをあまり好きではありませんでした。
でも、そのおじいちゃんが土いじりをしている僕に声をかけてきて、優しい表情で、わたしも植物が好きでね、と言っていました。

そのおじいちゃんの穏やかな表情には、心のなかにあったたばこの煙を吹き飛ばす優しさがありました。
とても素敵な小説に出逢ったときのように、一瞬のひとときが温かくて嬉しかった。

 

 

11月1日。
メイナードさんは29年の生涯をとじました。

個人の自由と権利、おおくの繋がりに影響していく責任と存在の重さ。
これから先も沢山の考え方が重なっていくだろう選択でした。

目に見えて命に関わる病気。
目に見えるということは、許容を支える大きな要素だとあらためて実感した出来事でした。

自分はこれからも、痛みや不安や哀しみを打ち消しつづけていくほかない。
心の芯を、涙と根気と身近な人や物がくれる喜びで打ち固めて太くしていくしかない。

せめてあと10年で終わるよとか、わかってたらな…
暗闇でノーガードなままボコンボコンに殴り続けるなんてタフすぎるよ神様。

2014.11

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