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よく見かけるけど、名前は知らない花。
好きだけど、声の主を知らない夜道の虫の音。

みのまわりには、まだまだ知らないことが沢山、というより、知っていることの方が少ないよね。

 

今日は月に一度の通院日でした。
主治医が夏休み明けだったらしく、予約時間を2時間すぎても名前をよばれることはありませんでした。

医師、看護師、患者やその家族が行き交うロビー。
いつもは通りすぎるだけの椅子に座り、何を考えるでもなく、ただ目を瞑って待っていました。

その空間にも日常はあり、喧騒もあり、静けさがある。
矛盾に思えることが、ごく身近で自然なことだと、こういう時間は教えてくれる。

 

そして名前を呼ばれ、主治医の顔を見た瞬間、自分自身がひどく落ち込んでいることに気づきました。
カルテを見ながら、成すすべが見当たらない空っぽな診察を、きっとお互いが感じているんだと思う。

線維筋痛症には、未だ解らないことの方が多いんだと感じること、
そして、国の方針、研究の過程で大量に薬剤投与されて、生力のない眼になっていく患者のこと、
その無力さを感じながらも、どうすべきなのかわからないでいること、

2ヶ月前、そんな話を主治医はしてくれました。
学会や、異なる診療科の医師と交わした話。

そして、いつもこう言います。
「どうしますか?」

「どうしましょう」
毎回沸騰するくらいすべてが嫌になる瞬間です。
帰り道には、今ではずいぶんと大きくなったお土産袋付。

元気な頃は、こういう量の薬はおじいちゃんおばあちゃんがもらっているイメージしかなかったのに、
調剤薬局から出てくる自分は、誰よりも沢山の薬を抱えている。

1リットルの水に、その薬を全部を溶かしたらどんな色になるんだろう。
生きるために必要なその水は、自分の目にはどう映るんだろう。

道端に咲くムクゲの花。
ハイビスカスの仲間なんだってね。

なんて名前なんだろう?
そう思っていたことを、ふとした拍子に知れたりする面白さ。
なかなか会えないけど、顔を見るだけで懐かしさや嬉しさで和む友達。
痛いのを我慢するだけで、なんとも退屈な日々だけれど、生きていればそういう温かさを感じる出来事はやってくる。
生きていてよかったー!そう思える時間だってある。

 

だけど、
もういい。
そう思うことだけは許されない。

 

支えてくれたり応援してくれる人。
そのひとりひとりにごめんなさい。
命という奇跡のような機会を授けてくれた両親にはとくに申し訳ないね。

笑ったり泣いたり愛したり歌ったり踊ったり転んだり、まったくもって幸せな限りなのに、
毎日負けそうになる自分がいます。
生きていく義務感に押し潰されそうになるんです。

 

心のなかも、日常と同じで、喧騒や静けさが入り雑じっていて、
今日みたいにぐちゃぐちゃになることもあるけれど、結局は我慢することしか残ってない。

わたしゃがんばらにゃならんのです。

忍べ忍べと続ければ、煌く幸せにも会えるわさ。
友蔵心のなんちゃら。
なんか変なテンションになってきたからもう寝よう。

女子バレーが始まりました。
ロシアとの初戦、勝ててよかった。
胸が高ぶる5日間の始まりだい!

 

 

残暑の厳しい立秋ですが、すすきはすっかり穂をひらいて秋めいています。
大切に想っている人、そしてその人に繋がっている人たちが健やかな秋をすごせますように。

 

おやすみなさい。