からす(crow)

 
 
ということで今日はカラスのお話です。
 
 
 
みんなはカラスが黒い理由を考えたことはある?
いろんな話があるんだけど、
ギリシャ神話からこんなエピソードを紹介します。
 
 
カラスはイルカと並んで太陽神アポロンの使いだったとされていて、
今も空に輝くからす座という星座には、こんな昔話が残っています。
 
 
 
 
__________________________________
 
 
むかしむかし、
太陽神アポロンという神さまが世界の国々を旅していた時のこと。

 

 

太陽神アポロンは、テッサリアという街で
他にはいないであろう美しい女性に出逢いました。
 
 
 
コロニスという名のその女性は、アポロンから寵愛をうけるようになっていきますが、
アポロンは忙しく、愛するコロニスに会いに行く時間をもてませんでした。
 
 
 
そこで、自分の使いである一羽のカラスをコロニスに授けることにします。
それは目の覚めるような純白の羽根をもったカラスで、
人間の言葉がわかり、しゃべることもできました。
 
 
アポロンはこのカラスを使いとしてコロニスに自分の想いを伝えさせたり、
さまざまな贈り物を届けることにしたんだそうです。
 
 
 
そんなある日のこと。
カラスがコロニスのもとを訪れると、
彼女は庭で若い男性と親しそうに話していました。
 
 
そのことをカラスは、
「大変でございます、アポロン様。コロニス様には、どうやら好きな男性がおいでのようです」 
と報告しますが、信じようとしないアポロンをみると、
二人の様子を少し大げさに報告してしまったのです。
 
 
 
そしてそれを信じてしまったアポロンは激昂し、
彼は狙った的は外さないという金の矢を
天上界から遠く、ラリッサに向けて放ちました。
そしてその矢はまっすぐコロニスの胸を貫いたのです。
 
 
「どうして、こんなことを・・・。
でも、おなかの子には罪はありません。どうぞこの子だけはお助け下さい」
 
コロニスはうすれゆく意識の底から、アポロンに哀願しました。
そう、コロニスはアポロンの子をみごもり、産み月をむかえていたのです。
 
 
そんなコロニスを見て、
アポロンはハッと我に返りました。
 
 
 
一時の激情にまかせて取り返しのつかないことをしてしまった…
そう気づき、後悔したんだそうです。
 
彼はコロニスの最後の願いを聞き入れ、
彼女のお腹から赤ん坊を取り出しました。
 
 
そしてこの息子にアスクレピオスと名付け、
ケンタウロス族のケイロン(射手座) に託すことにします。
 
この子がのちに、アルゴ号探検隊などの冒険にも参加した名医、
アスクレピオス(蛇遣座) となり、今では「医術の神」と呼ばれています。
 
 
 
一方、いい加減なことを言ってアポロンを惑わせたカラスは、
アポロンの不審をかってしまい、人の言葉を話せないようにされたうえ、
美しかった純白の羽を黒く変えられてしまったのです。
 
この時からカラスはガァガァとしか鳴くことができず、
のちにこのカラスが天上に昇って星になり、カラス座となったと言われています。

一説には、目の前のコップ座にくちばしが届かないように置かれ、
水が飲めないようにされてしまった、とも言われています。

 
 
 
 
 
神話や伝説に登場するカラスは、
太陽と密接なかかわりを持っていることが多いとされています。
 
その大部分が、「太陽の使い」と位置づけるもので、
ギリシア神話だけでなく、アイヌ民話にも似たような逸話が残っています。
他にも、キリスト教圏、北米(ネイティブインディアン)、中国等、
世界各地に同様の神話・伝説が残っているそうです。
 
 
生活文化が異なる場所で、
これだけイメージが重なるっていうのはびっくりだよね。
 
 
 
朝、夜明けとともに姿をあらわして、
夕方、日暮れとともにどこかへ帰っていくカラスは、
古代の人々には太陽の使者のように映っていたのかもしれないね。
 
 
小さい頃、
カラスが黒くなった理由を物語にした絵本を読んだことがあるんだけど、
なんていう本だったかは忘れてしまいました。
 
どこかの民族の話だったのかな。
こういう昔話って面白いから好きです。
 
 
 
 
今、東京のからすは半分になってしまったそうですよ。
ごみや人への被害を減らそう、という目的で、
大規模な捕獲や駆除が行われてきました。
 
 
そういえば最近少なくなってきたような。
そう気付いた時にはもうずいぶんと沢山の命が失われている。
 
 
 
 
ゴアさんの「不都合な真実」という映画は、
環境問題を提起した内容で、
世界中に大きな反響を呼びました。
みんなは見た?
 
 
 
人が生きるということ。
これだけ地球上に多くの生き物がいる中で、
地球に馴染まない唯一の存在。
 
不思議だな。
全は一、一は全
自然界をひも解いたときに必ず在るこの法則。
 
 
いつか人が努力を重ねて、
エコを進化させた形で、自然にとけこむのか、
それとも人が滅びること、地球が滅びることでバランスを保つのか。 
 
 
このアンバランスな状況が、僕には不思議です。
膨大な時間をふまえれば自然なことなのでしょうか。
 
 
 
 
昨日、病院の帰り道に好きなお花屋さんに寄って、
季節はずれのカリフォルニアライラックと、
キキョウ科の星型の青い花、イソトマを買ってきました。
 
 
こんな風に、人は自然を愛でる気持ちがある。
それは人だけじゃないかもしれないけど、
このココロがある事が、自然の理にかなってるってことなのかな。
そうも思ったりします。
 
 
 
日本の幕末。
各藩にトップがいて、その藩のトップに幕府がある。
そしてさらに朝廷というトップもあった時代。
 
なになに藩のだれだれである。
それがあたり前だった常識に、
「日本人」という概念を見出した人物、勝海舟。
 
 
 
今、たくさんの国がある中で、
国や人種や民族ではなく、
地球人であるということを志にしている人って
世界に何人いるのかな。
 
そして、かつて「日本人」と見出したように、
すべての生命をひとつに考える、
「地球内生命」っていう概念もやっぱり必要だよね。
 
 
害人のままじゃ、もったいない。
地球はこんなに青くて綺麗なのに。
透きとおるような色がいっぱいいっぱいあるのにね。
 
ホントもったいないです。
 
 
 

コメントを残す